みなさんこんばんは
愛知県豊田市にある
剛鍼灸院 豊田です
猛暑が終わりやっと涼しくなってきたかなと思いますが、みなさんのお子様はいかがお過ごしでしょうか?
元気よく毎日遊んでいるという方、毎朝期限が悪くて学校に遅刻しがち、、、様々だと思いますが、環境の変化は、自分でも思っている以上に精神的・肉体的疲労を感じるものです。
- 朝すぐに起きれない
- 体がダルイ
- 頭痛や腹痛が頻繁に起こる
こんな時は要注意!体が危険信号を出している証拠です。そして、朝起きられず、学校に行きたくても行けない疾患の1つに起立性調節障害という病気があります。
昔は朝起き上がれず学校にいけない、お昼から元気になってくる、日曜日には楽しく遊んでいる…そんな様子から昔は怠け病と言われていました。
本人は「学校に行きたいのに行けない」、親は「うちの子が不登校になった」と不安や心配がつのりますよね。
まずお伝えしたいことは、起立性調節障害はれっきとした病気ということです。
本来、我々人間は、起立すると下半身に血液がたまります。下半身に血液がたまると心臓に戻る血流量が減ります。そのため血圧が低下します。この血圧低下を防ぐため交感神経が下半身の血管収縮をさせ、心臓へ戻る血流量を増やし 、血圧を維持します。この交感神経活動がうまく働かないのが起立性調節障害とう病気です。
起立性調節障害の症状としては、
- 朝、目は覚めても 体を起き上がらせることが困難
- 頭痛や倦怠感
- 午前中の調子が悪い
- 食欲不振
- 立ちくらみやめまい
- 動悸、息切れ
- 顔色が青白い
- 入浴時に気分が悪くなる
など様々な症状が出てきます。一見、学校に行きたくないのかなと思える症状ですが、本人の意思は関係なく起こってしまう病気です。
起立性調節障害は、小学生から中学生の思春期に多く発病するため、本人にとっても、親御さんにとっても授業に遅れちゃう将来への心配や不安が多いことと思いますが、焦らず、適切な治療を継続することが大切です。

起立性調節障害の治療は、まず問診にて患者さんの発病後から現在までの症状経過や現時点での状態確認をします。
望診、脈診、腹診、舌診などから東洋医学的弁証をたて治療の組み立てをします。
わかりやすく西洋医学的にご説明しますと、起立性調節障害では、ほとんどが、体を起こすと調子が悪くなる、脈拍を確認すると、交感神経が働いていないため、脈がかなり早くなる傾向にあります。
当院の治療法としては、自律神経の働きを生理学的所見からもアプローチしています。
東京大学医学博士になられ元筑波技術短期大学学長等をされていた西條一止先生の著書や講義では、科学的根拠に基づき、鍼灸治療が人体に及ぼす自律神経機能の変化のメカニズムを利用することにより、副交感神経が優位になり誘発する喘息発作を改善することが可能、そして、末梢血管交感神経活動が低下してしまう起立性調節障害にも応用することができます。また、現在の体質を東洋医学的診断、治療からもアプローチすることで起立性調節障害の症状改善、再発防止につながります。
ただ、注意すべき点は、以上のようなメカニズムを正しく理解し治療に反映しなければ効果が出ません。
当院では、西條一止先生が学長を務めていた「東洋医学臨床技術大学校アカデミー」にも全8期(8年)参加しており、そこで得た技術を持って自律神経治療に対して臨床経験を積んでいます。
参考文献:
鍼灸臨床最新科学 メカニズムとエビデンス(医歯薬出版株式会社)
臨床鍼灸治療学(医歯薬出版株式会社)
臨床鍼灸学を拓く第2版 科学化への道標(医歯薬出版株式会社)

